斎藤一子(安藤サクラ)は、32歳になっても実家にひきこもりの自堕落な生活を送っていた。母親の斎藤佳子(稲川実代子)は弁当屋を切盛りしており、父親の孝夫(伊藤洋三郎)は役立たずだったが、子供を連れての出戻りの妹の二三子(早織)が実家に帰ってきたことにより、問題を抱えるようになる。一子は、二三子の子供とはテレビゲームで良い関係を築いていたいにも関わらず、二三子とは歯医者に母親が治療費を出すかで喧嘩してしまい、母親からもお金を貰って追い出されてしまう。
一子は一人暮らしを始め、夜な夜な買いに行っていた百円ショップに勤めることになるのだが、店長の岡野淳(宇野祥平)はうつ病であり、店員の野間明(坂田聡)はバツイチで口うるさくてしつこい。また、元店員で、レジの金を盗んだ池内敏子(根岸季衣)は、毎晩廃棄される焼き蕎麦弁当を盗みに来るという、そこは実は社会の底辺の人間達が集まる巣窟のような場所であった。
一子は、いつもストイックにボクシングの練習をする狩野祐二(新井浩文)に興味を持っていた。ある時、百円ショップにバナナを置き忘れて、届けた時に親しくなる。動物園にデートに行き、野間と一緒に狩野の試合を見に行くのだが、引退試合でも狩野は負けてしまう。試合後、一子は野間と狩野と夕食を共にするのだが、狩野は、一子は野間と付き合っていると嘘を教えられ、野間を殴って店を出て行き、野間も一子を殴って無理やりラブホテル「ニューヨーク」に連れ込み、処女だった一子を無理やり、犯してしまう。一子は警察に通報するのだが、百円ショップに勤めに戻った時に、本部の社員で店長が店に来なくなったために仕方なく店に働きに出ている佐田和弘(沖田裕樹)から、野間がレジの金を盗んだが、居場所を聞かれて「知らない」と応えるのであった。
そんな一子もボクシングに興味を持ち、青木ジムに入ってトレーニングをするのだが、なかなか上達しない。そんな時に、岡野がコンビニで吐いて倒れてしまう。一子は岡野を自分のアパートで看病し、2人は親密な関係になり、体を重ねる。しかし、岡野は一子が料理をすると言った時に家には戻らず、豆腐屋のバイトをするのであった。一子は豆腐屋になった岡野に問い詰めるのだが、無視されてしまう。
一子は、女子ボクシングの32歳という最後の年齢制限にかけて猛特訓を行い、ボクシングのプロライセンスを得る。しかし百円ショップでは、池内敏子に廃棄される焼きそば弁当をこっそり渡しているのが佐田にばれたため、佐田を殴ってしまいクビになる。池内は、百円ショップに包丁を持って強盗に入り、佐田を刺した後に金を奪って逃げる。
一子は、父親の斎藤孝夫(伊藤洋三郎)に請われ、母親が体調不良ということで家に戻って弁当屋を手伝う。試合で選手の怪我により、一子が出られるのが決まったのを知り、更に猛特訓を始める。トレーナーの小林(松浦慎一郎)は、彼女の左はなかなかだと褒めるのだが、ジムの会長(重松収)は、試合では一子は一度もパンチを当てられずに負けるだろうと予想する。
店で働いていた時、警備員のバイトをしていた狩野がたまたま弁当を買いに来て逃げだしたため、追いかけて弁当を渡し、「私、今度試合に出るから、見にきて」と頼むのだが、「一生懸命になる奴が嫌いなんだ」と食べ終わった弁当を捨てて仕事に戻ってしまう。一子は一生懸命練習して試合に出るのだが、迫田彩美(白岩佐季子)は格上の相手で、一方的に破れ、まともに当ったのは左ストレートぐらいであった。家族が見守る中で倒れた一子は、そこに狩野がいるのを発見し、立ち上がるが判定で負けてしまう。
ボロボロの顔になった一子は、表で待っていた狩野から「一緒に御飯を食べよう」と誘われ、「本当に勝ちたかった」と泣きじゃくるのだが、そんな一子を連れて、狩野と去っていくのであった。